ある時、まほう使いがいつものように何か悪いことをしようと 町の様子がよく見えるやくば近くの大きなケヤキの木にのぼって だれかがやってくるのを待っていました。 しばらく待っていると、太った男とやせた男が歩いてくるのが 見えました。 何やらしゃべっています。まほう使いは2人が何をしゃべっているの か聞くために、ぷるぷるぶるっと頭を3回ふりました。 すると耳が3倍くらいの大きさになりました。 これで、ケヤキの木からはなれたところで話している男たちの話が 聞こえてきました。 「とにかくすばらしいという話なんだ。」 「ぜひきいてみたいね。」 「あんたも作ってもらえばいいんだ。」 「あんたは作ってもらうのか?」 「いや。多分作ってもらったってきっとうまくはふけないよ。」 「そうだな。まずは他の笛で練習しないとな。」 まほう使いは2人が何について話しているのかとてもきょうみを そそられ、いたずらするのを忘れてしまいました。 |