第6話.うそつき

それから3日後、
サトルくんもいっしょに みんな外であそんでいた。
5時すぎになってサトルくんのおかあさんが しごとからかえってきた。
カナちゃんがサトルくんのおかあさんのところに行ってこう言った。
「サトルくんのかぞくって火星からやってきたの?」
サトルくんのおかあさんは ちょっとおどろいた顔をして
それからわらった。
「サトルがそう言ったの?」
「うん。サトルくんのうちで火星のしょうこも見せてもらったよ。」
サトルくんのおかあさんは また わらった。
そしてえりちゃんが

ダイヤモンドと
かわったおんがくと
モモミミモンガのことをきくと

それはほんとうは
ガラスと
パキスタンのおんがくと
フクロモモンガだとおしえてくれた。

「へんな子でしょ。宇宙にきょうみがあるの。とくに火星にね。
でもうちのかぞくはちきゅうの人だから安心してね。
サトル、うそつきはあとでこらしめるからね。」
そう言ってサトルくんのおかあさんはかえって行った。
サトルくんは「ちぇっ」と言うとどこかへ行ってしまった。
のこされた子どもたちはちょっとがっかりした。
もっと火星のおもしろいものが見たかったから。
ほんとうにサトルくんのはなしを信じてたかって?
それはあまりそうではなかったかもしれないけど
とにかくたのしかったから。

つづく


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