木の鳥

まほちゃんは何かを作るのが大好きです。
布、ビーズ、毛糸、木などいろいろな材料を使って作ります。
まほちゃんは自分が作ったものを友だちにあげるのが好きです。
友だちもまほちゃんの作ったものが好きです。

ある時まほちゃんは友だちのみかちゃんに「何でもいいから作って」と言われました。
まほちゃんは木彫りの小鳥をつくることにしました。
少しかたい木だったので作っている途中に彫刻刀で指を切ってしまいました。
でもくじけずに作りました。

ちょっとでこぼこしているけれどあいきょうのあるかわいい小鳥ができました。
みかちゃんに見せました。みかちゃんは木の鳥を気に入ってくれませんでした。
「かわいくないからいらない」

まほちゃんは木の鳥を持って帰りました。心をこめて作ったのでとても悲しくなりました。
その日からまほちゃんはぱたりと作ることをやめました。
まわりの友だちはすぐにまほちゃんがいつもと違うのに気づいて心配しました。
まほちゃんは何があったのかおかあさんだけに話しました。

何日かたちました。まほちゃんはごく自然に布を取りだし刺しゅうを始めました。
まほちゃんにとって何かを作ることはやっぱり一番楽しいことなのです。
もう悲しみもうすらいできたころみかちゃんが恥ずかしそうにまほちゃんに言いました。

「ごめんね。あんなこと言って。すぐにあやまればよかったんだけど、なかなか言えなくて」
まほちゃんはすごくうれしく思いました。
みかちゃんもまほちゃんを傷つけてしまったと思いずっと悩んでいたのです。
みかちゃんは絶対に大切にするからと約束して木の鳥を持って帰りました。

今、まほちゃんはまた何かを作ろうと考えています。
来月のおかあさんの誕生日は何をつくろうか。
これからもこの調子でみんなを喜ばせてね。
まほちゃん。