3びきのかば かくれがをつくる

3びきのかばが、いつものようにあそんでいます。
「ねえ、かくれがつくらない?」
と、きゅうにゴロウがいいだしました。
「おもしろそう!」
タロウとジロウはすぐにさんせいしました。
「どんなかくれがつくるの?」
とタロウがききます。
ゴロウは紙の上にかんたんな絵をかきます。
「うわー、こんなのできるかな?」
ジロウがいいます。
「だいじょうぶだって」
ゴロウがいいます。
それから3びきのかばは
かくれがのざいりょうをあつめにいきました。

3びきはそれぞれいろいろなものをもってきました。
「ゴロウくん、そのふうせんどうするの?」
ジロウがききます。
「かくれがのてっぺんにつけようかなとおもって」
「ああ」
「タロウくん、どうしてサッカーボールもってきたの?」
ゴロウがききます。
「かくれががかんせいしたら、あそぼうとおもって」
「ふーん」
「これがかべだよ」
ジロウはもってきたダンボールをひろげます。
「ああ、ほんとだ、かべみたいだ」
タロウがいいます。
3びきは、まずかべをたてはじめました。

ちょっとぐらぐらするけど、かべができました。
「なかなかいいかんじじゃん」
タロウがいいます。
「これから、まどとかドアとかつくるよ」
ゴロウがいいます。
「ぼくちょっとつかれたから、きゅうけい」
タロウはサッカーボールをけりながらいいます。
「つかれたのに、サッカーはできるの?」
ジロウがききます。
「サッカーはなれてるから」

「じゃあ、ジロウくんつづきをしよう」
ゴロウはそういって、えんぴつをもちました。
「ドアはこのへんかな?」
「うん、そのへん」
ゴロウはダンボールのかべにドアの絵をかきました。
それからジロウといっしょにはさみでドアをあけました。

次の日、ジロウ、ゴロウが
かくれがのところにやってきました。
タロウがきていません。
2ひきはしばらくまちました。
でも、タロウはきません。
「タロウくん、どうしたんだろう?」
ジロウがいいます。
「むかえに行こうか?」
ゴロウがいいます。
「うん」
それで、2ひきはタロウの家まで
むかえにいくことにしました。
「タロウくん!」
2ひきがよぶと、しばらくして
タロウのおかあさんがでてきました。
「こんにちは、タロウくんはいますか?」
「こんにちは、タロウね、びょう気なの、ねつが出てね」
「えー!」
ジロウ、ゴロウはびっくりしました。
タロウくんがびょう気なんて!

ジロウ、ゴロウはかくれがのところへもどってきました。
「ああ、どうしよう」
ジロウがいいます。
「しばらくこのままおいておこうか」
ゴロウがいいます。
2ひきはしかたないので
かくれがのざいりょうののこりで
工作をはじめました。

2~3日たちました。
まだ、タロウはやってきません。
ジロウ、ゴロウはかくれがのまえでそうだんしました。
「ねえ、ぼくたちだけで作ってしまおうか」
ゴロウがいいます。
「そうだね、タロウくん作るのちょっとめんどくさそうだったしね」
ジロウがいいます。
「すごいの作って、タロウくんをおどかそう!」
2ひきはまたかくれがづくりをはじめました。

それから2日ほどたって、かくれががかんせいしました。
「できた、できた」
ジロウ、ゴロウはさっそく中へはいって、
まどから外を見たりねころんでみたり。
「きっとタロウくん、おどろくよ」
ジロウがいいます。
「うん、早く見せたいな・・・
ちょっと、タロウくんのうちに行ってみようか」
ゴロウがいうとジロウもさんせいしました。
それで2ひきはタロウの家に行きました。
「タロウくん!」
大きな声でよぶと、しばらくして
タロウのおかあさんがでてきました。
2ひきはがっかりしました。
「ごめんね、まだなおらないの。
元気になったらまたいっしょにあそんでね」
ジロウ、ゴロウはまたかくれがのところへ
もどっていきました。

「ああ、タロウくん、どうしたんだろう?」
ジロウがしんぱいそうにいいます。
「いつも元気だったのにね」
ゴロウもざんねんそうにいいます。
「タロウくん、びょうきなおらなかったらどうしよう」
ジロウはもっとしんぱいになってきました。
「そんなことないよ、ぜったい!」
ゴロウは力をこめてそういいました。
でも、ジロウはしょんぼりしたままです。
ゴロウはどうしようかとおもいました。
そして、とつぜん
「いくよ!」というと、さかだちをはじめました。
ジロウはびっくりしました。
ジロウがじっと見ていると
今度はとくいのへんなおどりをはじめます。
ジロウは思わず、わらいはじめました。
よし、いいぞ!と思い、
ゴロウはもっとへんなおどりをします。
ジロウはおもいっきりわらいだしました。

それから2日後、ジロウ、ゴロウがかくれがの中にいると、「おーい!」と大きな声がきこえました。
「タロウくんだ!」ジロウとゴロウはかくれがからとびだしました。
向こうからタロウが走ってきます。
「タロウくん!」ジロウとゴロウは手をふります。

「あっ!」
ぐしゃぐしゃ!
いきおいあまって、とっしんしたタロウは
ジロウ、ゴロウとかくれがをたおしてしまいました。

「ごめん」タロウがしょんぼりした声でいいます。
「いいよ、いいよ」ジロウ、ゴロウがいいます。
「どうしよう」
「みんなでしゅうりしよう」
「うん、こんどはぼくがんばるよ」タロウはぱっと立ち上がっていいました。
「タロウくん、びょうきなおってよかったね」
「うん」

そして、3びきのかばはかくれがのしゅうりをはじめました。