3びきのかば

あるそうげんに
タロウ
ジロウ
ゴロウ
という 3びきのかばの子がいました。

タロウは力もちで
からだをうごかすのが大すき。
かんがえごとはちょっとにがてで
つくえにすわるとねむたくなります。

ジロウは本が大すきです。
ものしずかでおっとりしていて
うんどうは どちらかというとにがてです。

ゴロウはしりたがりやで
いろいろなことに
きょうみがあります。
にがてなこと?
じぶんではよくわかりません。

あるはれた日
3びきはばったりであいました。

3びきともひまだったので
いっしょにあそぶことにしました。

「だれが一ばん大きな石を もち上げられるか
きょうそうしよう。」
力もちのタロウはそういって
じぶんのあたまと おなじくらいの大きさの石を
ひょいともち上げました。

ジロウはちょっとこまったようすで、
タロウのもち上げた石より
ずい分小さな石を
なんとかもち上げました。

ゴロウは
ひらべったいきれいな石を
もち上げました。
「この石、きにいった。」
ゴロウは大きさよりも
かたちでえらんでいます。
しょうぶはもんくなしで
タロウのかち。

「つぎはだれが一ばんうまく ろうどくできるか
きょうそうしよう。」
とジロウがいいました。
「ろうどく?」とタロウがききました。
「ここに1さつのえほんが あるんだけど、
まだぼくもよんでないんだ。
だれがまちがえずによめるかっていう
きょうそうだよ。」
ジロウはそうせつめいしました。
「じゃあジロウくんからやってみて」
とゴロウがいいました。

ジロウは本をひらくと
よみはじめました。
「いまから100ねんほどまえ、
あるところにまほうつかいがいました。
そのまほうつかいはほうきではなく、
はたきにのってそらをとぶのでした。
ある日・・・・・」
ジロウはほとんどまちがえずに
よみおえました。

タロウもゴロウも
おはなしがおもしろかったので、
ジロウがちょっぴりつっかえたところに
きがつきませんでした。

「じゃあ次はゴロウくん おさきにどうぞ」
タロウがいいました。
ゴロウがよみはじめました。
「いまから100ねんほどまえ、
あるところに・・・・・」
けっこうすらすらよめたけれど、
5かいくらいまちがえてしまいました。
ゴロウはよみおえると、
ペろっとしたを出し
「まちがえちゃった」と
くびをすくめました。

「さあタロウくんどうぞ。」
タロウはちょっとしぶしぶ
といったかんじで本をひらきました。
「いまから100ねんほどまえ、
あるところに・・・・・」
あかいかおをして
はんぶんほどよんだところで
「ふー、あーいきがくるしくなってきた。」
そういってタロウは本をよむのを
あきらめてしまいました。
「このきょうそうは ジロウくんのかちだね。」
ゴロウがそういいました。

「つぎはぼくがかんがえるばんか・・・」
ゴロウはそういってちょっとかんがえたあと、
「うたをうたおうよ。
じぶんのとくいなやつをね。」
といいました。

それで
タロウは山のうたを
ジロウはうみのうたを
ゴロウはとりのうたを
それぞれうたいました

「だれが1ばんかよくわからないね」
3びきはくびをかしげました。
「これはきょうそうじゃないから
いいんじゃない。」
とゴロウがいいました。
「うん、あそびだもんね。」
とジロウがいいました。

3びきはタイプがちがうけれど
ふだんしないことができたので
けっこうたのしかったなとおもいました。
それからまい日のように
いろいろなことをして
あそびましたとさ。