第3話.火星からきた しょうこ

子どもたちは それぞれの家で
ひっこしてきた子が火星からきたと言っている という話をした。
どのおとうさん、おかあさんも笑った。
そして
「おもしろい子ね。」
「サトルくんていうの? ちきゅう人みたいな名まえね。」
「なかなかユニークだ。」
そんなかんじのことを言った。

ある日、みんなが外であそんでいると
サトルくんがとおりかかった。
ショウくんがちかくに行ってこう言った。
「ねえ、火星からきた しょうこ見せて。」
みんなはあそぶのをやめ、サトルくんを見た。
サトルくんはしばらくかんがえてから
「いいよ。」と言った。
それからみんなでサトルくんのうちへ行った。
そして はじめてサトルくんのうちの中まで入った。
みんなはきょうみしんしん。
おとうさんとおかあさんは しごとでるす。
たしかにちょっと へやの中はかわっている。
かわったいすやテーブルがあるし
かわった絵がかざってある。
サトルくんは おしいれから 小さなはこをもってきた。
りょう手で だいじそうにもっている。
みんなはそのはこをじっと見た。

つづく


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